国際基準のインテリアデザインをアメリカからおとどけします

「圧迫感」という思考停止ワード

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シカゴのインテリアデザイナーのあいです。独自開発したインテリアデザイナー、コーディネーター養成講座には現在100名以上が在籍。無料講座も提供中。インテリアのノウハウやトレンドなどを随時ブログ等で発信しています。
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こんにちは。あいです。

物事に対して全体の大きな事よりも、細部の細かい調整にばかり意識が行く事があります。

細部の細かい調整が必要な場合ももちろんありますが、それらの優先順位はたいてい後です。

 

インテリアでも同じで、広い視点で全体を見渡せていなければプロジェクトが前進せず、大差ない項目で迷子になり、同じ場所をいったりきたりする事になります。

ということで、今日は「空間そのものを大きな視点で見る必要があるよ」って話です。大きな視点で見る、とはどういうことか、どうすれば良いのか、をお話ししたいと思います。

 

まず、狭い視野にとらわれてしまう代表例として「圧迫感」という言葉があります。

誰が言い始めたのかは分かりませんが、日本でインテリアを語るときに非常によく耳にする言葉です。

でもこの言葉、少なくともアメリカではインテリア用語としては直訳はありません。

つまり、こちらではそういう概念はないという事です。

 

日本では圧迫感という感覚を嫌って、高さのある家具や大きな家具が敬遠されるケースがありますが、この考えに私は違和感があります。

「圧迫感を避ける為に、背の低い家具を床面に端から並べるべき」というのを、セオリーのように語る人がいますが、これは空間全体の床面にしか視点が行っていない状態です。

狭い部屋で、しかも床面とプラス40㎝ぐらいまでしか視線が行き渡らない空間は、実は圧迫感うんぬんよりもっと大切なものを欠いています。

本来、インテリアを構成する時は、もっと大きな視点、様々な角度からバランスを図っていきます。「床面をどう攻略するか」というものの見方はその中の一つの観点すぎないという訳です。

言い換えると、「これは空間に対して、平面的な見方(2D)をしてしまっている」とも言えます。

 

いうまでもありませんが、インテリアデザインは空間、つまり立体(3D)を攻略することです。

そして、その為に必要なポイントは、

  • 色の配分とリンク
  • 空間の中にある物のボリュームのバランス
  • リズム

です。

床に何を置くかに捉われるのではなく、これら①から③をどう攻略するか、決まった条件下で最大限の結果を出すのがインテリアデザインです。

 

こういった視点を持つことができれば、優れたインテリアに出会ったときにも、

  • その空間での色の采配
  • その空間での家具の配置
  • どんなリズムによって人の視線が誘導されているか
  • 人の動線がどうリードされているのか、など

といった複合的な視点で、どうやってその快適で美しい空間が組み立てられているのかが見えてきます。

 

例に挙げた「圧迫感」などの、目に見えないネガティブな条件をつぶしていくよりも、「どうしたら空間全体が活きてくるか」に視点をフォーカスする方が、最終的には素敵な空間作りの近道になるかと思います。

つい、細かいディテールばかりに走ってしまうという人は心がけてみてください。

 

HAVE A BEAUTIFUL DAY
AI

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