こんにちは、あいです。
デザイナーがお客さんと打ち合わせをするのは、デザインプロセスのコアな柱を立ち上げる為の一番重要な仕事でもあります。
信頼関係を気づき、プロである事をちゃんとお伝えし、プロジェクトを共有できているよ、という事を伝えるのが目的です。
もちろんこの機会に、デザイナーはお客さんが求めるニーズをキャッチしなくてはいけませんので質問をします。
が、その中で、聞かない方が良い質問がいくつかありますので紹介します。
一つ目「何色がすきですか?」
回答の幅が広すぎて回答する方も難しく、受け入れる方もこの答えを聞いたからと行って方向性が見出せるものでもありません。
洋服や小物に対してグリーンが好きだという人が、インテリアにもグリーンを採用したいと言っているわけではありませんし、ブラックが好きだという人が白黒の部屋を欲しているとも限りません。
また、私にとっても昔からこの質問に答えることがとても難しいです。なぜなら、その色が好きと思えるかどうかは、「どんな配色でどこに使われるか」によって違ってくるからです。
例えば、赤がアイボリーと一緒にいるのであれば美しいと思いますが、緑と一緒であれば”季節によっては”美しいとの回答にかわりますし、一緒にいるのが黒であればそれは美しいとは思いません。(”私の価値観では”、です。)
でも、黒は色としてよく採用しており、これは黒が美しいと思える配色や環境においての話です。
つまり、色というのは全く単色での使用をする事がない上に、色味による表情の変化も大きいです。
こういった事を考えると、「何色が好きですか?」の質問は、ほぼ回答を回収する効果がないと言えます。
二つ目「高級な感じが好きですか?」
質問した事がある人も、もしかしたらリクエストした事がある人もいるかもしれません。
では「高級感」とはなんでしょう?
”上質で洗練されているもの”を私は想像しますが、人によって”華やかで高価に見えそうなもの”という価値観を持っている場合もありそうです。
これを先に質問してもデザインの方向性は定まりません。
どちらかというとこのあたりは、質問ではなく、デザイナーがお客さんと話をする中で”嗅ぎ分けるもの”という感覚があります。
もしこの質問の回答がYESだったとしても、予算が低予算だったとしたら、デザイナーは自分の首を絞める事にもなりかねませんし、お客さんにも無駄に可能性を期待させてしまいます。
正直、予算がギリギリでの”高級感”の希望には矛盾があります。
予算にある程度ゆとりがあって選択肢があれば、素材や機能、デザイン性の追求の可能性がありますが、そうではない場合、やはり物理的に選択肢は減って行きます。
その中でももちろんできる事はありますが、お客さんの期待に添えるかどうかは別の話になってきます。
インテリアデザインのゴールは、美しさと機能性の両立です。高級な感じやそうではない感じというよりも、与えられた条件の中で機能性を損なう事なく、一番美しいというレンジを狙いに行くのが目的です。
この質問は、回答を貰ってもその方向性を見いだせるものではないため、あまり意味のない質問と言えます。
三つ目最後の質問は、「どんなスタイルが好きですか?」
そもそも、この答えが正しくわかっていないからデザイナーによるリードを求めていると考えてください。
正しくあるべきは、デザイナー側からの「あなたは、こんなスタイルが好きなのではないかと思います」という提案です。
目指したいであろう雰囲気や素材感、色味は、デザイナー側でお客さんとコミュニケーションをとる中で想定し、それを確認し合う事でスタイルの方向性を見出して行く事を求められています。
仮に「こんなスタイルが好きです」と回答をもらったとしても、そのお客さんのスタイルに対する認識が、いわゆる”インテリアデザインセオリーにおいて理解されている認識”とは違う可能性は高いです。
「こんなスタイルが好きです」と伝えられた場合も、単なる一つの情報として一旦置いといて、それ以外に得る情報と合わせて最終的にスタイル選定をする事になります。
なのでこれは「してはいけない質問」かというと語弊があるかもしれませんが、スタイル選定においてキラークエスチョンかといわれると、さほど効果はないという感じです。
この辺はプロの立場としてもお悩みの方は多いと思います。でも、インテリアの組み立て方がある程度理解できてくると、質問力も必然的に上がってくると思います。
HAVE A BEAUTIFUL DAY
AI

