木材と色の関係

こんにちは、あいです。

シカゴは木々が色づいてきて、すっかり秋の趣きですが、今回は木材と色のお話をしたいと思います。

日本のインテリアでは、無垢材に大きな価値を置く傾向が強いように思います。

無垢材は、確かに加工品と比較すると贅沢なものではありますが、使い方によっては、野暮ったくなってしまい、インテリアを美しく見せるにあたり、効果的ではないケースも見受けられます。

これはどうも、「木材の種類を合わせること」と「色をうまく合わせること」に別々の意識が働いてしまっているからのようです。

もう少し詳しくいうと、例えば私の目には、木材の「色」は無垢の自然色だろうと、最も安価な紙によるラミネート加工だろうと、大体アイボリーからベージュ、ブラウンそしてダークグレーのレンジにある”色”です。

素材こそ木材ですが、”ブラウン”と捉えます。

木材のブラウン、リネンのブラウン、コッパー(銅)のブラウン、ガラスのブラウンなども、素材が違うだけで茶色は茶色です。

”色”である限りは、「他の色とどうバランスをとっていくのか?」という点に着目する必要があります。

つまり「この家具の木材とこの床の木材が合わない」というのは、木材の種類が違うから合わないのではなく、「”色”が合うかどうか」が判断基準です。

例えば、ダークブラウングレーのきれいなウッドやミッドセンチュリーモダンにポピュラーであった赤味オレンジ味のあるウッドに対して、黄色っぽいウッドフローリングが「なんか合わない」と感じるとしたら、それは「木材の相性悪い」というよりも「それぞれのウッドの中にあるアンダートーンが衝突をしているケース」がほとんどです。

インテリア全体となると、皆さん色をうまく分散させる方向に気持ちが向くのですが、一種の木材を使用すると決めたら、床も家具も建具もなんとなく同じ色(=素材)を選びがちです。

さらに「何となく」ではなく、「木の色がこうだから、家具の脚もこれで、キャビネットもこれ」という風に、意識的にルールを守るように同じ色を使用しているのもよく見かけます。

でもこの発想の終着点は、かなり上手くいって、山間部のロッジのようなインテリアです。

ログハウスなんかは、「その土地に生えている木を切って使う事で、自然と一体になる」といったコンセプトですので、そういった意味では生きた使い方であると言えると思います。

一方で、そうではないところに「同一木材信仰」を持ち込むと、一色だけが多用される事により、平坦で垢ぬけなく、インテリアは抑揚を失ってしまいます。

インテリアの成功のキーは機能性と美しさの両立、そして調和と抑揚(リズム)の両立です。

「同一木材信仰」から一旦離れて、「木材は”単なる茶色”である」という認識をもって部屋を見ると、そのインテリアがつまらない理由にピンとくる方もいるのではないでしょうか?

ピンと来ない方、大丈夫です。AI INTERIORS ACADEMYでは、インテリアの勉強と合わせて、色の徹底理解ができるコースも8月から開講中で、早くもとても人気があります。インテリアのコースと同様、色の勉強についても検定向けの知識詰め込み型ではなく、体感体験から学ぶスタイルです。

色を自由に扱えるようになりたい人、是非ご検討ください。

HAVE A BEAUTIFUL DAY
AI

Picture source: https://jclicht.com/blogs/our-blog/how-to-match-wall-color-with-wood-floor

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