アメリカンインテリアについての考察
こんにちは。あいです。
“アメリカンインテリア”と聞くと、ヨーロッパと比較してカジュアルで軽いイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?
インダストリアルスタイルとか、ヴィンテージとか、そういうところからくるイメージです。
ヨーロッパのように長い長い歴史もないしということで、厳かでエレガントで洗練されたお行儀の良い印象に欠けるのかもしれません。
でもそのイメージは半分正解で半分間違いです。
私はアメリカのインテリアを歴史から掘り下げる事については、だいぶマニアックに研究していると思うので、今日はその視点でお伝えしてみたいと思います。
アメリカでは「西海岸と東海岸のどちらが好きか?」という趣向を訪ねる質問があります。その視点や理由は本当に様々ですが、西と東は雰囲気が違うというのはある程度共通認識の様です。
これは西と東で流入してきた文化が全く違うのが理由です。
東側にはヨーロッパ方面、イギリスやフランスの文化が強く入っており、1900年代前後にはフランスを中心に流行したゴシックのリバイバルも起きています。この点で、クラシカルな要素が非常に強く、それらは都心部の高層ビルのデザインや街のデザイン、家のデザインにも反映されています。
一方、西側はメキシコ文化が強く、ミッドセンチュリーモダンスタイルの聖地でもあります。という事は現代の建物はメキシカンとミッドセンチュリーモダンの掛け算によって発展している事になります。このメキシカンとミッドセンチュリーモダンのミックススタイルは東海岸ではレアです。西海岸のもつ開放的でカジュアルな雰囲気というのは暖かい気候以外にもこういった街のもつ雰囲気も強く影響しています。
ここでマイナーな中西部と南部の話になりますが、カナダでは一部の地域はフランス語が公用語になっているように、フレンチ系移民の通り道の跡というのが今も文化として残っています。これは実はカナダに限らず、シカゴを経由してアメリカ南部まで続いています。
その通り道にはシカゴも入っており、終着点は南部ルイジアナ州です。ルイジアナでは子供たちの第二外国語がフランス語であるように、アメリカでも特別フレンチカルチャーが色濃く、それは建築様式にも強く表れています。更にシノワズリー系のフレンチテイストの強いインテリアアイテムを展開しているブランドやショップやデザイナーは、南部にルーツがあるケースも多いです。
一般的にいわれているアメリカンイメージは西海岸やニューヨークの一部のイメージの表面を浅くすくい取ったような感じです。実はもっともっと階層が深くオモシロいのです。
Have a beautiful day,
Ai
Image picture: Jackson Squire New Orleans Louisiana