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色のもめごと

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シカゴのインテリアデザイナーのあいです。独自開発したインテリアデザイナー、コーディネーター養成講座には現在100名以上が在籍。無料講座も提供中。インテリアのノウハウやトレンドなどを随時ブログ等で発信しています。
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こんにちは、あいです。
今日はややマニアックな色の話です。

壁のペイントを選択する時、「白」とか「アイボリー」って聞くと、だれでもシンプルにどんな色かを想像できるのですが、例えば3000色とか展開しているペイントメーカーから白を選ぶとかアイボリーを選ぶとなると、とたんに至難の業です。WEBSITEで白のカテゴリーに行ったのに、白には見えない色が大量に並んでいます。

シンプルに白が欲しいと思っただけなのに、どれを選んでも自分がちゃんと「白」を選べているのか分からなくなってきます(特に生徒さんは必ずその経験があるはずです)。

それぞれを単体で見ると、どれもが白で、どれもがアイボリーに見えてきます。そして、それらが全て横並びになっているところから、どれが「最も」自分のゴールに近いのかを判断するのは、かなり難しいです。

生徒さんから良くある質問に、「そんな中からどうやって色を選んでいるですか?」というものがあります。

私の場合は、頭の中で欲しい色を先にイメージして、その色を3原色+白黒に分解したとしたらどんな割合かが想像できるので、それを頼りに色を探しに行っています。

ただ、アイボリーと白だけは本当に難しいです。ほとんどが白で構成されているので色の分解に限界があります。

ここでは、先ず自分の目は信用できませんので、色を構成している実際のデータだけが頼りです。光の反射率とか、赤の含有量、青の含有量、など。これらの数値から微妙なアンダートーンを把握したり、光の反射率と部屋の日当たりの関係を見たりだとか、そういったアプローチで使うべき色を確定します。

「微妙なアンダートーン」というのは特にトリッキーです。

例えば、僅かにグリーンのアンダートーンが見えるハードウッドフロアの床、そこから立ち上がる壁を白でペイントするとします。
しかし、その白に肉眼では確認できないレベルでも僅かに赤が入っていたとしたら、一見シンプルな真っ白の壁と無垢の床材の組み合わせなのに、なにかが僅かに狂っている気がしたりします。

これって実はアンダートーン同士が水面下で揉めている現象です。

白と茶色の舞台裏で、1滴の赤と1滴の緑が喧嘩をしています。赤と緑は補色の関係なので、うまく利用すると存在感を主張したりフォーカルポイントを作ったりというのに役に立ちますが、意図しないところで使うとネガティブな働きをしてしまいます。

壁と床を例にしましたが、なんかしっくりこない時って色が水面下で揉めている可能性があるというのを覚えておくと、問題解決の糸口になる事がありますし、これを操れると色選びが格段にラクになります。

まさにこのような「色のもめごと」が我が家のリビングでも見つかり、いま壁の白、モールディングの白の塗り替えをしている最中です。

Have a beautiful day,
Ai

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シカゴのインテリアデザイナーのあいです。独自開発したインテリアデザイナー、コーディネーター養成講座には現在100名以上が在籍。無料講座も提供中。インテリアのノウハウやトレンドなどを随時ブログ等で発信しています。
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