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ホテルルームのデザインミス(解説編)

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シカゴのインテリアデザイナーのあいです。独自開発したインテリアデザイナー、コーディネーター養成講座には現在100名以上が在籍。無料講座も提供中。インテリアのノウハウやトレンドなどを随時ブログ等で発信しています。
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こんにちは、あいです。
いつもお読み頂きありがとうございます。

さて、今回は前回の続きです。私が気づいたデザインミスについての解説をしたいと思います。

(前回の記事)

ホテルルームのデザインミス

以下の画像が、今回のホテルルームの基本の間取り図です。

このプランはバスルームエリアに基本的に壁がなく、オープンコンセプトになっています。

自然光が期待できる、そして部屋に入った時に空間に広がりを感じられるという利点に対して、プライバシーレベルが低いという難点があります。

前回の記事では、「どういったコンセプトで、という部分はデザイナーにより自由。ただし、機能性を欠くようであればその判断には間違いがあるといえる」といったお話しをしました。

ということで機能面でどういった問題があるのか見ていきましょう

この部屋では、洗面台前には赤い線のような左右スライドする可動式のパネルがあり、パーティションとして機能させています。

ブルーの線はガラスパネルで、浴室の壁の一部とドアがすりガラスになっています。左の壁沿いにあるブルーの線は大きな鏡です。

次の図ではゾーニングと動線を表しています。

逆T字になっている緑のエリアは、ホテルの共用廊下から部屋に入ったメインの動線で、いわばパブリックゾーンです。

ホテルスタッフが食事やアイテムを届けにきたり、宿泊者ではない来客がアクセスする時に使用するであろうゾーンです。

色のついていない部分は基本宿泊者当人たちが使用するプライベートゾーンです。

紫色の線はバスルームでの主な動線です。

ここでの問題は、

①バスルームの間取りの組み方、と②ドアスウィングの向きの影響で緑のパブリックゾーンに着衣無しの状態で入らなければ浴室からタオルや着替えにさえアクセスできないという構造です。

例えば入浴中に、ホテルスタッフがアクセスしてきたり、同伴者が何かの用事の瞬間に部屋のドアを開けているかもしれません。その際のストレートな視線の通り道であるグリーンのゾーンと浴室から出たところがばっちり重なります。

更に状況を悪くする事に、次の画像で鏡の反射について表しているように、この位置に大きな鏡があるため、例え洗面台前の可動式の壁で目隠ししたとしても、ベッドゾーンから鏡を介してバスルームエリアが丸見え状態になっています。

という事でまとめると、私がデザインミスだと思うのは2点。

プライベートゾーンとパブリックゾーンの干渉、そして鏡の設置場所によるプライバシーの欠損でした。

ちなみにこのホテルは5つ星です。レビューも良いです。

私のセンサーが反応しすぎなのか、不満がまだ表に出てきていないだけか?って感じですね。

読者の皆様は何か感じた事はありましたか?是非メッセージをくださいね。

HAVE A BEAUTIFUL DAY

AI

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シカゴのインテリアデザイナーのあいです。独自開発したインテリアデザイナー、コーディネーター養成講座には現在100名以上が在籍。無料講座も提供中。インテリアのノウハウやトレンドなどを随時ブログ等で発信しています。
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