それは何のダシ?
こんにちは。あいです。
今日はまず料理の話からしましょうか。
私がアメリカに住みだして、まもなく10年が経とうとしています。お味噌汁は特にきらいではありませんが、今年はまだ一度も作っていない、というような感じの頻度です。
数年前、あまりに久しぶりに作ったものですから出汁パックと間違えてお茶の袋を入れたらしく、出汁の無いお味噌汁を作った事があります。(これまた、日本茶の出番も少なく)
この経験から、私は出汁の無いお味噌汁がいかに間抜けな味でぼんやりしたものかというのを知りました。
また、YOUTUBEなどのメディアで、外国の方がお味噌汁の作り方をデモンストレーションしている動画を見た事があります。それは、出汁ではなくお湯にお味噌を溶いたものでした。こんないい加減なレシピで美味しい味噌汁が作れるワケが無いと思いました。 (笑)
さて、
先日ある生徒さんから頂いたご質問内容にこんなものがありました。「アメリカンメソッドのインテリアデザインとは?」といった内容です。
アメリカでのインテリアデザインの大きな特徴のひとつとして、「スタイルの認識」が非常にはっきりしているという特徴があります。
「スタイル」というは、例えば「ミッドセンチュリーモダンスタイル」や「スカンジナビアンスタイル」といったものですが、それらは歴史的背景や文化的背景、社会的背景、気候、出来事などに基づき形成されたもので、それらのスタイルを紐解くキーが明確に存在しています。
つまり個人個人の感覚ではなく、ロジカルに説明ができ、再現性のあるものです。アメリカのインテリアの世界では、こうしたスタイルを「あーだから、こーだ」とロジカルに語り合って会話が成立します。
一方で日本で良く語られる、ナチュラルとかエレガントという「テイスト」と言われるものは、主観的かつ抽象的な概念のため、何をもってそうなのかは個人の価値観に左右されてしまいます。
この辺り、日本のインテリアがしっくりきていなかった生徒さんが、スタイルを体系的に学ぶことによって、ピントが合って、すっと腹に落ちるみたいです。
このスタイルは、さっきのお味噌汁の話でいうと、出汁のようなものです。
スタイルがベースになり、それに味付けとして、ナチュラルであるとかエレガントであるという二次的な要素が入ってきます。
ですので、出汁(スタイル)を取らずに、水とお味噌だけでつくったスープに何の具を入れる?といくら考えても、おいしいお味噌汁にはならないという訳です。スタイルが認識できていないと、仕上がりがなんだかぼんやりしたインテリアになってしまいがちです。
この出汁の種類(=インテリアスタイルの種類)は本当にたくさんあり、さらに新しいスタイルも生まれ続けているので、自由に操れるようになるのは簡単とは言えませんが、そこが逆に深みがあって面白いのがインテリアデザインの世界です。
私はすっかりその沼にハマってしまっています。
HAVE A BEAUTIFUL DAY
AI